こんにちは!
最近の看護師は、様々な場所で活躍することができます。
これまでだと、看護師の資格を取ったら、まずは病院に就職し、経験を積むという流れが一般的でした。
ですが、最近はそうでもないんです!
病院以外でも、看護師が活躍できる場所があるのです。
今回はそんな看護師が活躍する場所の一つである『訪問看護』について紹介していきます。
訪問看護ってどんな仕事?
訪問看護とは
自宅で療養する患者様のもとに看護師など医療スタッフが訪問し、治療・ケアを行うサービスのこと。
看護師が訪問看護を行うときは、健康状態のチェック、療養指導、医療処置などその患者様に合わせて看護を提供します。
病院での治療やリハビリがひと段落した方でも、自宅の過ごし方に問題がある患者様がいます。
例えば、今は落ち着いているが、今後健康状態の変化が考えられる。
認知症があり、服薬の管理ができない。
人工呼吸器や中心静脈栄養など医療処置が継続して必要。などの患者様が挙げられます。
現在の日本は、医療費の拡大が大きな課題になっています。
そのため、入院日数を短縮し、自宅での療養を国が力を入れています。
そんな自宅療養を支えるのが、訪問看護です。
訪問する医療スタッフは看護師だけではありません。
訪問する医療スタッフは、看護師だけでなく保健師、助産師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などです。
このほかにも、かかりつけ医、介護士、ヘルパー、ケアマネージャー、ソーシャルワーカーなど様々な職種が患者様に関わります。
病院と同じくらいの他職種がチームで患者様のサポートしているんですね。
訪問看護の職場は、患者様の家!
訪問看護は、患者様が住む自宅に訪問し、看護を提供します。
医療機材や環境が整っている病院と違って、患者様が実際に住んでいる場所で看護を行います。
そのため、より患者様の個別性に沿った看護が必要になります。
では、実際にどんな看護が行われているのでしょうか?
訪問看護ってどんなことをするの?
病棟看護と訪問看護の業務の違い
行う看護に違いはありません!
患者様の情報をアセスメントし、看護を提供します。
その中で医師の指示のもとに、病院と同じように医療処置を実施することもあります。
実際に行われている業務を見ていきましょう。
実際に行っている業務
健康状態のチェック
看護の基本ですね。
患者様の中には、大きな病気をされ、病院で治療した結果、自宅に戻ったという患者様も多くいます。
その場合、病気の再発や増悪の可能性が考えられます。
患者様の健康状態をチェックし、必要な場合はかかりつけ医に報告します。
療養指導
患者様の自宅での過ごし方をサポートするための看護です。
服薬管理
患者様によっては、認知症や高齢であるために内服薬の管理が難しい方がいます。
近くに家族がいない場合や老老介護の場合は、訪問看護師や服薬管理を行います。
内服カレンダーへの薬のセットや朝・夕の訪問で介護士やヘルパーと協力して、内服を支援します。
食事管理
心臓疾患や腎疾患など、食事に制限のある方や栄養をしっかりとらないといけない方には、食事管理を行います。
メニューの確認や指導を行います。
医療機器の管理
人工呼吸器やインスリンポンプなど高度な医療機器を自宅で使用される方もいます。
医療機器が適切に使用されているかの確認や人工呼吸器では回路の交換など必要な管理を行います。
家族支援・家族の相談
在宅での看護・介護は、家族の大きな負担になる場合があります。
特に自宅での看取りの場合は、家族の心理的なサポートが大切になります。
自宅でよりよく過ごせるように患者様だけでなく、家族にも看護を提供します。
褥瘡の処置
特に高齢者の方は、皮膚の脆弱化や運動機能の低下により、褥瘡ができてしまうリスクが高くなります。
できてしまった褥瘡の処置では、軟膏塗布や洗浄、保護材の交換などを行ういます。
褥瘡を未然に防ぐために皮膚の観察を行なったり、家族に予防のケアを指導したりもします。
輸液・薬剤の点滴
病院と同じように医師に指示された輸液・薬剤の投与を行います。
病院のように点滴棒がないので、鴨居にひっかけて投与したり、輸液ポンプを持参したり、色々な工夫が必要になることもあります。
カテーテルなどのデバイスの交換
病気のために排尿が難しい方は膀胱留置カテーテルを使用したり、中心静脈栄養のために中心静脈カテーテルを使用したりされる方がいます。
カテーテルの交換や感染が起きていないかなどの観察などの管理を行います。
日常生活の看護・移動・食事などの介護
訪問の介護士やヘルパーなどと協力して行います。
ADLが低下した方の日常生活を支援します。
排泄ケア
排泄ケアというものは、する側もされる側も心理的な負担になります。
ご高齢の患者様の場合は、筋力の低下や運動量の低下などの原因が組み合わさり、便秘に悩む方が多いです。
訪問看護時の浣腸などの処置で排便をコントロールする場合もあります。
口腔ケア
より長い時間、経口摂取を続けていくためには口腔ケアは大切なケアになります。
また、口腔内を清潔にすることで肺炎の予防につながります。
ADLの低下や嚥下機能の低下により、口腔内は汚れやすいので、訪問看護時にしっかりケアを行います。
体位交換
褥瘡の予防、関節の拘縮予防などのため必要なケアになります。
買い物の付き添いなども…!?
買い物や食事づくりなど、生活そのもののサポートは、訪問介護、訪問ヘルパーなどが通常は行います。
精神科の訪問看護では、気分転換を目的として買い物の付き添いなどを行う場合があります。
リハビリ
治療、ADLの維持・改善などを目的に行われます。
リハビリスタッフが在籍している場合は、リハビリスタッフが主に行います。
看護師も訪問時に、行うことがあります。
まとめ
訪問看護の業務は多岐にわたる!
今回は、訪問看護の内容についてまとめてみました。
今回まとめきれなかったそのほかの看護も、実践されています。
また、患者様に直接行う看護だけでなく、カルテの記載、書類作成、地域連携など訪問看護の業務は多岐にわたります。
だからこそ、色々な看護が学べる
訪問看護では、患者様に行う処置やケアの多くを実践します。
普通の病院勤務では、診療科の違いにより処置やケアは偏ることがあります。
訪問看護も専門性の高い場所もありますが、多くの訪問看護ステーションには様々な病気や怪我、障害を持った方が利用されます。
また、訪問看護は通常1人で訪問するため、しっかりした観察とアセスメントが必要になります。
そのため、色々な看護について学ぶことができると言われています。
在宅では病院のように、ずっとそばに医療スタッフがいるわけではありません。
訪問看護師は、その患者様にとって一番近くにいる医療スタッフになります。
じっくり時間をかけて患者様に看護を提供できるのが、訪問看護です。
その患者様にとってより良い看護を提供することがやりがいと感じている訪問看護師はとっても多いです。
今回の記事はいかがでしたでしょうか?
この記事で訪問看護の内容を少しでもわかっていただけたら嬉しいです。